大学院生からAIエンジニアになって1ヶ月経ったのでレビューしてみる

大学院生からAIエンジニアになって1ヶ月経ったのでレビューしてみる

記事として書きたいことはたくさんあるのですが、なかなか余裕がなくやっと書く気持ちになってきたので、また毎月or毎週くらい書いていこうと思っています。

概要

私は現在博士後期課程1年に属しながら、東大の本郷キャンパス内にあるAI関連企業(https://www.sankei.com/economy/news/190731/prl1907310531-n1.html)にてリサーチエンジニアをしています。この記事では、そうなった経緯や感じていることを書いていきます。

経緯

働き始めていることは大学院の同期と研究室の関係する方々にしかまだ話していません。もしかしたら噂みたいな感じで知っている人もいるかもしれません。簡単に言うと、学生兼正社員という身分になりました。ですので、正確にはタイトルは間違っていて、大学院生「から」AIエンジニアになったというよりは大学院生「が」AIエンジニアになった形です。

イギリス短期留学

実は今年の3月までは「研究者になるぞ!」と意気込んでいたわけですが、2、3月にイギリスのUniversity College London (UCL) のMullard Space Science Laboratory (MSSL) に行ったこととその他プライベートな理由から4月頃に研究者以外の方向に転換しました。

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グリニッジ天文台。現在は天文研究は行っていない。観光客がたくさんいた。
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日本語の案内があることは非常にまれだった。中国語の案内はどこにでもある。

イギリスで感じたことはたくさんありますが、今回の決断に影響した点を3つ書き出すとすると次の3点になります。

  1. MSSLのPh.D.(博士後期課程)にいる留学生(MSSLの学生の半分以上は非イギリス人 ≒ 留学生)の英語レベルは凄まじく、論文を読むスピードも書くスピードも早いしプレゼンの英語もめちゃくちゃ上手い(上手いのは分かったが早くて6割程度は意味を取れなかった)。
  2. 機械学習を使って研究しているPh.D.の学生が多数存在し、日本との理学研究への工学的知識の大きな応用レベルの差を感じた。
  3. 大学院から給料をもらっていない自分に疑問を感じた(欧米・中国には大学院生に一般的な初任給よりも高い給料を払う大学院が多数存在する)。MSSLには自分で車を買って持っている学生がたくさんいた。(少し田舎な場所だったせいもあるが。)

プライベートな話

また、プライベートな方については、結婚を意識する彼女(ここではパンダとする)がいる関係が大きかったです。例えば、もし数年後に結婚している場合の自分にとっての懸念が次の3点挙げられます。

  1. 転勤(働く場所が変わること)の問題。非パーマネント; 非常勤の研究者(ポスドクなど)だと、転職?するときにかなり高い確率で転勤が存在する。その場合、奥さんが仕事を続けるなら高い確率で別居になる(東京都心周辺で研究職ポストを得続けられる人は非常にまれ)。しかし、奥さんには仕事をやめてもらいたくないため、自分の希望通りにいかない転勤がある仕事は厳しい。
  2. 収入の問題。パンダが一流企業で働いていて、将来世帯収入をむやみに下げたくないので辞めてほしくない。しかし、研究者を目指す場合、自分だけの給料では心もとない。なぜなら、自分は子供が欲しくて、子供を持てる場合(世の中には身体的な原因から子供を産めない夫婦がたくさんいて、自分たちもそうなる可能性はある)には2人以上欲しいから。
  3. モチベーションの問題。日本は特に今後経済の衰退とともに理学研究の衰退が”約束”されている(少なくとも私のツイッターではそんな雰囲気)し、イギリスでも科学研究の予算がかなり減額されているらしく、中国・アメリカ以外はそんなに変わらないだろうと考えた。私はどちらかと言うと「ホット」な業界が好きなので、日本の経済みたいに今後衰退が約束されている業界は、自分には向いていない。「お金や自分の身分がどうなっても俺は研究が大好きで、あわよくば世界のアカデミアを背負って盛り上げていく。」という強い思いを持った人間ではなかった。

博士号を取るか否か

そんなこんなで、研究者以外の生き方でもいいんじゃないの?と思ってきました。いざ研究者以外の道に目を向けると、「あれ、研究者じゃなければ修士号でも十分なんじゃ・・・?海外でも別に修士号でエンジニアやってる」と思ってきてしまいました。実際どうなんでしょう?一応Quoraでも調べてみても、修士号で意外と十分なようです。(ちなみに、東大に修士課程で在籍しているフランス人が、フランスではエンジニアをやるのに博士号を持っている意味はあまりないと言っていたこともこの判断に影響しています。)

もちろん、博士号がないよりはあった方がいいです。だけど、それにあと3年近くかかるわけで、その間の3年で他のことをして成長した方が将来性(働き方や生き方の選択肢みたいなもの)がある可能性だってあるわけで、私はそちらにかけてみることにしたわけです。まだ博士課程を辞めてないですが。

研究者以外でどんな仕事がいいかな?数式を使うような仕事がいいな。と考えていたら、イギリスでも直接触れてきた機械学習に関する仕事に興味を持ちました。ちょうど研究でPythonをごりごりに使っていて、周りの人から質問されるくらいには知識があったので、機械学習にPythonが使われているのは幸運でした。

軽い就活

本当に軽い就活をしました。一応学部のときに就活をして内定をもらった経験があったので(その後普通に正社員で働いていた)、緊張は全くなかったです。アカリクさんとskypeで面談し、私に紹介できそうな企業を6社ほど紹介していただきました。担当の方は生物系で博士号を取った方らしく、アカデミア・大学院生からの就職支援に熱意を持っていそうな方で非常によい方でした。ちなみにアカリクは博士後期課程あるいは若手研究者しか使えません。ここの若手の定義は分かりません。

アカリクさんに紹介してもらった企業のうち3社と面談したりコーディングテストをしたりしましたが、結局は知人の有名なエンジニアの方に現在の企業を紹介してもらいました。Googleも電話による英語の1次面接はクリアしたもののコーディングテストで落ちました。あれは競技プログラミングをある程度やっていればできそうなテストです。

入社を決定

最初は来年の4月から働こうくらいに考えていたのですが、現在働いている企業からオファーをもらい、現在急成長中なためか早めに入社してほしいような感じだったので、8月に入社することに決めました。

一応6月に指導教員や共同研究者には相談・報告をし、いざこざはなく移動しました。研究室の自分のデスク周りは綺麗にしてほしいと言われ、綺麗にしました。ゲストが来たら使えるようにしているようです。ただ、まだ在籍しているので研究室に行って指導してもらったり使う権利自体はあるようです。

また、書きかけの論文があり、それを今年中に投稿したいと思っています。そのため、共同研究者とはたまに連絡を取っています。リモートになっても面倒を見てもらっていて、共同研究者のBさんには頭が上がらないです。

そして現在

毎日早寝(?)早起きして健康的な生活をしています。先日初任給が来て、自分にとっては結構な額です。都心で賃貸を借りても生活には余裕があるくらいです。今は楽しく機械学習を使ったコーディングしています。コーディングが以前から好きで、多分わりと向いているようです。隣の席のインド人とも仲良くやっています。あとは顧客にプレゼンなんてこともありますが、なんとかやっています。

あまりオープンにはできませんが、急成長しており、働きやすいです。ルービックキューブ世界2位の人がいたり、とあるスポーツで世界2位の人がいたり(2位じゃダメなんですか?)、社長も元東大の教員でわりとギークな会社です。先日はオフィスでBoard Game Noghtがあって、カタンをやっていました(私は帰りました)。それに今度オフィスで同僚とNintendo Switchをやる話をしており、盛り上がりそうです。

まとめ

現在就活市場はまだ活気があり、博士後期の学生、若手研究者の方の就職先はたくさんある雰囲気を感じました。特に理系の方はどこかの会社の正社員には余裕でなれます。ホワイトで楽しい企業にも行けると思います。何か質問等あればツイッター(https://twitter.com/spontaneous____)か匿名メッセージサービス(https://marshmallow-qa.com/spontaneous____)を使ってメッセージをもらえればお答えします。

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